2013年12月04日

スラムダンクの続編妄想#208 傷心



冬の選抜を終え


1月の新人戦へ向け練習に励む湘北メンバー





キュッキュッ!




宮城 「ちっ…今日もか…」




視線の先、いつもの場所にいつもいるはずの男がいない。



宮城 「まったく…花道のやつ…いつまで落ち込んでやがるんだ…」



流川 「………」











彩子 「晴子ちゃん…あの子…桜木花道の事なんか知ってる?」



晴子 「いえ…今週はまだ学校にも来てないみたいで…」



彩子 「あの子ったら…どこに…」



晴子 「……」






その日の夜



晴子 「でね…帰りに水戸君に聞いて桜木君家に寄ってみたんだけどいなくて…」



食事の箸を止める赤木



赤木 「むぅ…」



晴子 「やっぱり翔陽戦のシュートを気にしてるのかな…」



赤木 「あのバカモンが…」

(いったいどこにおる…)














翌日も桜木は姿を現さなかった。
















ザッザッ




一人夜道を歩く桜木




冬間近ということもあり寒さが襲う




ぶるるる



桜木 「うぅ…冷えるな…」

(こんな格好で家を出なきゃよかった…)




辺りを見渡す



桜木 「む…!」




近くには晴子とレイアップ練習に励んだ公園のリング




リングを見つめる






頭には翔陽戦の記憶がよみがえる。








「決勝にも出るため」と与えられた5分という時間




もちろん試合感覚など到底戻ってなかった。




だからこそ桜木は自分の仕事「リバウンド」に全力を注ぐつもりだった。




そして生まれた得点機。ティップにゴール下など数少ないチャンスを確実に沈めた。






しかし







バシィィィッ!





藤真のカットが浮かぶ





ボールを受けた瞬間、ディフェンスの気配を感じ逆へターンした自分







その先にいた藤真が、偶然左利きだったため生まれたカット。







全てが許せなかった。





桜木 「くっ…!」



(あの時オレが補欠君の存在に気付いていたら…)



(リョーちんの声に反応していたら…)





様々な悔しさがこみ上げる。




桜木 「オレのせいで…ミッチーは……」





ザッ!




公園を後にしようと振り返る桜木




桜木 「………」

(帰ろう……)









「!!!!!」







桜木 「ハ…ハルコさん…」



晴子 「桜木君…」




ダッ!



いつかのよう駆け出そうとする桜木




晴子 「桜木君…!」




桜木 「はっ!!」




一瞬辺りを見渡した桜木が晴子に振り返る





桜木 「ハ…ハルコさん…こんな時間に何を…」



晴子 「あっ…学校も来てなかったみたいだから…もしかしたらここにいるかなって…思って」



桜木 「ハルコさん…」

(オレを心配してそこまで…)




目に涙を浮かべる桜木





晴子 「ちょっと…座ろっか」



桜木 「………はい」









夜風に晴子が身をすぼめる



桜木 「ハルコさん!風邪を引いてしまいますよ!」



晴子 「んーん…大丈夫…それより…」



桜木 「ぬ……」



晴子 「桜木君…やっぱりあのシュートを気にしてるのかな?」





黙り込む桜木


藤真にカットされたラストシュートがよみがえる







晴子 「私は気にしなくてもいいと思うんだけどな…」



桜木 「…ハルコさん…」



晴子 「あれは誰が見ても偶然カットされたって感じだったし…それに桜木君は短い時間なのにあんなに活躍してたじゃない」



桜木 「しかし…」



晴子 「きっと三井さんもそう思ってるわ…桜木君はよくやったって…」



桜木 「……ですが…」



下を向く桜木











ドガァァァァッ!!!!





後ろから何者かにいきなり殴られる




桜木 「!!!!」







「このバカたれがぁぁぁああ!」





桜木 「ゴ!ゴリ!!」





赤木 「何がしかしにですがだぁあ!湘北はお前のような怪我明けの人間に勝敗を任せるようなチームではない!」




桜木 「し!しかし!」




ドガァァァァッ!!!!





桜木 「!!!!」




赤木 「あの試合はどちらが勝ってもおかしくなかった…責任はみんなにある…」




桜木 「!!!!」




赤木 「宮城があと一度藤真を止めていたら…三井や流川があと1本シュートを決めていたら…試合はひっくり返っていた」




桜木 「………」




赤木 「お前は怪我明けだ…それでも充分働いた…」



桜木 「……ゴリ」



赤木 「これからは…二度と怪我をするな…そして湘北のゴール下を全試合守れ…負けた責任を感じるならそれからだ」



桜木 「……」



晴子 「お兄ちゃん…」





ザッザッ




歩き出す赤木


「晴子…帰るぞ…」





晴子 「お…お兄ちゃん…」




桜木に近づく晴子


「ごめんね…桜木君…でも…お兄ちゃんは昔、みんなにいつも負けたせいにされてたから…」




桜木 「!…ゴリが!?」




晴子 「そう…」



………



晴子の記憶


赤木が高校1年の頃の試合が浮かぶ



「おいおい!湘北はデカいだけじゃねーか」


「あのセンター全然ダメじゃねーか」




その体格から上級生からボールを集められていた赤木

得点はもちろん、周りの助けもなくミスもチームで一番だった。



「ったく…赤木がいないほうがいいんじゃねーか?」


「あいつがボールを持つと何もすることねぇもんな…」





赤木 「むぅ…」



晴子 「お兄ちゃん…」




赤木はそれでもめげなかった。



周りに敗因と決めつけられ、周りに言葉をかけてくれるものがいなくても



ひたすら練習に打ち込んだ。




………



晴子 「だから…きっとお兄ちゃんは桜木君が羨ましいんだよ…」



桜木 「羨ましい…?」



晴子 「そう…周りのみんなも桜木君と同じように自分のせいで負けたって思っている選手ばっかだし…」



桜木 「!!」



頭にはなぜか流川の姿が浮かぶ



晴子 「それに桜木君にはまた試合に出るチャンスがある…」



桜木 「……」



晴子 「だから…桜木君には速くコートに戻ってきて欲しいな」



桜木 「ハルコさん…」



晴子 「私もマネージャーになったんだから…全国にまた行きたいし…」






赤木 「晴子!速くしろ!」




晴子 「桜木君!コートで待ってるから!」





ザッ!ザッ!




駆け出す晴子




桜木 「ハルコさん…」













一人公園に残る桜木






物思いにふける。














キィーーー!





桜木 「む!!」




視線の先に人影















翌日



宮城 「よぉぉし!今日もやるぞ!……って花道!!」



コートサイドでストレッチをする桜木




少し伸びた赤頭は再び丸められている。




宮城 「お前…」




桜木 「ふんっ…オレのせいで負けたからな…」




宮城 「ったく…またかよ…」




桜木 「リョーちん!またとはなんだまたとは!」




宮城につかみかかる桜木




宮城 「おい!やめろって!」









晴子 「桜木君!!!!」




桜木 「む!」




宮城を離す桜木




晴子 「また髪切ったんだね!似合ってる!」




桜木 「ハ…ハイ!」




晴子 「ふふっ…今日から天才復帰だね…」




桜木 「トーゼン!天才が完全復活した湘北!もう2度と負けません!」









その様子を見つめる宮城


「本当何度やりゃ気がすむんだ…」





桜木の顔には無数の絆創膏









そして







ガチャッ!




桜木 「ぬ…」





流川 「……」





晴子 「ル…ルカワくん…顔の傷…どうしたの」





流川 「べつに…」








宮城 「ったく…本当…困ったやつらだぜ…」

(まぁ…花道も戻ってきたから…いいってことか…)





続く



この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: