2014年02月19日
スラムダンクの続編妄想#398 10本勝負
卒業まで三日と迫った湘北高校
宮城 「よーし!今日の練習はここまでだ!!」
キュッ
号令のもと、解散するメンバー
石井 「ダメ…水…!」
桑田 「最近、かなり激しいな」
佐々岡 「あぁ。本当…」
キュッ
水飲み場へ向かう1年生
三井 「おい、赤木いかねーのか?」
赤木 「む…?」
三井 「水だよ水。先行くぞ」
赤木 「あ、あぁ」
「………」
「………………」
「むぅ…」
コートを見つめる赤木
「……」
桜木を探す
「フンッ…フンッ…!」
隅の方で入念にストレッチに取り組んでいる桜木
キュッ
キュッ
桜木 「む…!」
背後に現れる大きな影
桜木 「ゴリ…」
赤木 「ストレッチとは感心だな、桜木」
桜木 「フッ…おやじにもするように言われてるからな」
赤木 「…?」
桜木 「柔軟を制するものはゴール下を制すってな」
赤木 「……」
(間違いではないと思うが、オレはそんな事一度も…)
桜木 「ん…なんだよゴリ。冗談に決まってんだろ」
赤木 「なっ!!」
桜木 「怪我した時に、病院で教えてもらったんだ」
赤木 「…!」
桜木 「こうやって体を柔らかくすれば、怪我の予防にもなるしプレーにもいいってな」
赤木 「……」
桜木 「で、ゴリ。なんか用か?」
赤木 「む…!」
桜木 「なんかあるから来たんじゃないのか?」
赤木 「……」
(それはそうだが、なんと言えばいいか…)
桜木 「なんだよ。なんもねーならオレは行くぞ」
赤木 「行く…?」
桜木 「あぁ。シューティングがあんだ」
赤木 「シューティング…」
桜木 「これは本当の約束で、毎日100本入るまでやんなきゃなんねーんだ」
赤木 「ほう…」
(なるほど…その手があったか)
キュッ
ボールを持ち、立ち上がる桜木
「………」
「………………」
赤木 「桜木…!」
桜木 「む…!」
赤木 「どうだ…久しぶりにリバウンド勝負でもしないか?」
(出来るだけ、出来るだけ自然にだ…)
「…!」
突然の申し出に驚いた表情の桜木
赤木 「ぬ…なんだ…」
「………」
「………………」
桜木 「怪しい…」
赤木 「!」
桜木 「さてはゴリ…」
赤木 「?」
桜木 「この天才からリバウンドを教えて欲しいんだな」
赤木 「なにっ!?」
すっ
桜木が赤木の肩に手を置く
桜木 「わかるぞ…その気持ち」
赤木 「ぐぬ…!」
桜木 「かつてはゴリに教えてもらったリバウンド」
赤木 「……」
桜木 「だが、このセンスの塊・桜木。今やその実力はゴリ以上…!」
赤木 「!!」
(こいつ…!)
桜木 「普段なら断るところだが…」
赤木 「……」
桜木 「素直にこの天才に乞いた感心さに免じて、今日は特別に教えてやろう」
ぷるぷるぷるぷる
再び下を向き震える赤木
桜木 「ぬ…?」
赤木 「……」
(抑えろ…抑えるんだ…ここで怒れば元も子もない…)
グッ!!!!
両手の拳を強く握り締める
カッ!!!!
不自然なほどに強ばった表情で顔を上げる
桜木 「!!!!」
赤木 「あ、あぁ。じ、実はそうなんだ」
桜木 「!」
赤木 「だ、だから、リ、リバウンド勝負をしろ。いや、しよう」
「………」
キュッ
コートへと歩き出す桜木
赤木 「…!」
キュッ
立ち止まり、振り返る
ピッ!
「!」
バシィッ!!
赤木にボールを渡す
桜木 「10本だ…」
赤木 「む…!」
桜木 「時間がねーんだ。さっさとやろうぜ」
赤木 「!」
(よし、のったか…!)
続く
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