2014年03月01日

スラムダンクの続編妄想#409 外周




ザッ



ザッ



ザッ



「はぁ…はぁ…」







湘北高校



外周を走る1年生







「ぬぅ…」



その中に混じる赤い頭







「さぁ!ラスト2周よ!」



校門では彩子が皆に声をかけている







桜木 「リョーちんめ、騙したな…」







………



体育館での記憶







宮城 「よし!じゃあ1年は簡単な体力測定を行なうぞ!」



「え!?体力測定???」



「オレ、今日見学のつもりだったのに…」







「………」







宮城 「イヤなら帰ってもいいんだぜ…」



睨みをきかす



「!!!!」



「はい!走ります!」



「な、なぁ!練習着貸してくれよ」



準備を始める1年生







宮城 「アヤちゃん、悪いけどついてってもらえるかな?」



彩子 「えぇ。構わないわよ」



宮城 「…あとは」



おもむろに上級生を見つめる



「………」



「………………」



宮城 「花道!」



桜木 「む…!」



宮城 「お前も遅刻と騒ぎを起こした罰だ。一緒に行ってこい!」



桜木 「なっ!?なに!?この天才が1年に混じってランニングだと!?」



宮城 「あぁ」



流川 「……」

(名案…)



桜木 「ふぬーーーーっ!!」



ガッ!!!!



そのまま桜木の肩をつかむ



「罰ってのは嘘だ。1年に、ビシッと手本を見せてやってくれよ。…桜木先輩」



桜木 「…!」

(センパイ…!)



「………」



「………………」



すっ



みるみると顔色が変わる



桜木 「さぁ!1年諸君!付いてきたまえ!ランニング王・桜木が手本を見せてやる」



「おぉ!なんか桜木さんがすげーやる気だぞ!」



「あのキャプテン…どんな魔法をかけたんだ!?」



「さすが湘北のキャプテン。あの超問題児と言われる桜木さんをこんなに簡単に…」



宮城 「……」

(フッ…これでオレのメンツも保たれたぜ)







………







ザッ



ザッ



ザッ



一人外周を走る桜木



「ちっ…」

(1年なんて…この天才の速さに誰もついてこれねぇじゃねーか…)



ザッ



ザッ



桜木 「……」

(これなら、オレなんかじゃなく誰でも…)



ザッ

ザッ



ザッ

ザッ



桜木 「ぬ…?」



気配を感じ、後ろを振り向く



「!!!!」



1mほど後ろを走る小柄な男



桜木 「む…」



「前向いて走れよ…」



男が桜木を追い抜こうとする



桜木 「ちっ…元はと言えば全部こいつが…!」



「………」



「………………」



ザッ



ザッ



ザッ



抜きつ抜かれつで並走する2人







「なんだよ。付いてくんなよ」



桜木 「お前こそ、この天才に挑もうなど百万年早いわ」



「ちっ…相変わらず口だけは達者だな…」



桜木 「んだとっ!? そもそもお前、なんでココにいるんだ!? 東京に住んでるんじゃなかったのか!?」



「うるせーな…」



問いかける桜木を振り払うかのように前へ出る



「……」

(うちは転勤族だから…兄ちゃんが、転校すると色々大変だからって…)



ザッ



ザッ



「……」

(高校の間だけ、神奈川の親戚家に住めって…)



横目で桜木へ視線を送る



「……」

(こいつにそんな事言っても…面倒くさくなりそうだしな)







「こらーっ!!桜木花道!あんた1年生に抜かれてんじゃないわよ!!」



2人の遥か前方で彩子が叫ぶ



「あんた!1年生に負けたら今日はずっと外周走らせるわよ!」



桜木 「なにっ!? それはいかん」



ザッ!



ザッ!



大きなストライドですぐに男を追い抜く



「…!」



桜木 「遊びはここまでだ」



「!?」



桜木 「先に行くぞ。チビヨネ」



ダッ!



一気に加速する



米山 「まじかよ…」



ザッ!



ザッ!



グングンと差が開く



米山 「……」

(あいつ…なんてスピード…!)







彩子 「よーし!その調子よ!桜木花道!」



桜木 「ハッハッハッハッ!!!!彩子さんトーゼンですよ!トーゼン!」



ザッ



ザッ



そのままラスト一周に入る



ザッ



ザッ



桜木 「む…?」



少し前方、大きく肩で息をしている1年生



桜木 「……」

(周回遅れか…)



ポンッ



桜木 「どうした1年坊主!最後まで諦めるなよ!」



抜き際、肩に手を置き声をかける



「………はい」



聞こえるか聞こえないか小さな声で返事をする男



桜木 「…!」

(なんか…暗い奴だな…)



チラッと顔を確認する



桜木 「…!」

(こいつ…ランニングが始まる直前に遅れてきたやつか)



ザッ



ザッ



そのまま走っていく桜木



「………」



「………………」



校門前からこの様子を見ていた彩子



「……」

(今、桜木花道が抜いてった子…大きいわね…)












同じ頃



体育館



安西 「ほっほっほっ…そうでしたか。30人近くも希望者がいましたか」



宮城 「はい」



今日一日の出来事について話す2人



宮城 「ですが、正式な部活動紹介は明日ですし…まだ正確に何人が入部するかは…」



安西 「ふむ…それもそうですね」



宮城 「……」



安西 「では、宮城君の言う通り、今週のあと二日は外での走り込みを中心にしましょう」



宮城 「はい」



安西 「そして土曜日、入部希望者の方には簡単なゲームをしてもらいましょう」



宮城 「…!」



安西 「ほっほっほっ。楽しみがひとつ増えましたね」












湘北高校



校門前



彩子 「さぁ!後少しよ!」



周回遅れの子をはじめ、1年生最後の数名がゴールを目指す



「はぁ…はぁ…」



「頑張れー!!」



ゴール直後で息を整えるているもの、声援を送るものがいる中



「………」



「………………」



一人の男を見つめる米山



「……」

(同じ1年にオレより早いやつがいるなんて…)







続く



この記事へのコメント
ちびよねー!!

なるほど、神奈川の親戚か。

続きを楽しみにまってます!!
Posted by ぺさむ at 2014年03月01日 16:35
待ってました!
チームHANAMICHI!!!!!!!!
Posted by けん at 2014年03月01日 17:45
ここで米山恭平っ!
あのアナザーストーリー的な章は好きだったから、微笑ましい!

ソコソコ実力があるのはわかるけど中学ではどれ程の実績があるのか…

気になるのはあとの2人。
大柄の暗い子と、米山よりも速い子。
以外にも湘北も層が厚いのかも?
Posted by バスケットマン at 2014年03月02日 00:18
※3
桜木が周回遅れと思っていた大柄の子が実はよねチビよりも早く先頭を走っていたんだと思ってたわ。さすがにその設定はステータス的にも無理があるよな。3人の新人に期待!
Posted by at 2014年03月02日 10:02
ぺさむさん、けんさん、バスケットマンさんコメントありがとうございます。

チビヨネ好きな方がいてくれて嬉しい限りです!
ちょっと親戚ってのが強引かもしれませんが…笑

続きお待ちくださいませ。

あと、名無しさんのご指摘通り、最後が少しわかりにくかったので少し文を足しときましたー!

ありがとうございます!
Posted by ピー at 2014年03月02日 11:56
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