2014年05月12日
スラムダンクの続編妄想#457 自身の役割
「よーし!ラスト1本だ!」
湘北高校体育館
宮城が声をかける
安田 「ん…?」
時計を確認する
安田 「……」
(まだ終わりまで30分もあるのに…もうラストか)
潮崎 「……」
(試合前だからか…?)
角田 「……」
(どうりで…今日はペースが早かったのか)
少し違和感を覚えるが、
納得した様子の3年生
バスッ!
「流川!ナイッシューッ!!」
ラストのシュートを流川が決める
キュッ
宮城 「集合っ!」
すかさず選手をコート中央に集める
桜木 「なんだよ、リョーちん。もう終わりか?」
流川 「……」
(全然、足りねー)
体力を持て余した様子
安田 「まぁまぁ…試合前だから」
潮崎 「無理して怪我でもしたらいけないし…」
宮城 「ん…? 何言ってんだヤス、シオ」
3年生の言葉に首をかしげる
安田 「え? 練習はここまでじゃないのか?」
潮崎 「あぁ。疲れを残さないよう、軽めのメニューに切り替えたんじゃ…」
宮城 「なーに言ってんだ、お前ら」
遮るよう、少し呆れた口調で言い放つ
「!!!!」
すっ
センターサークルから振り返り、安西を確認する宮城
コクッ
何も言わず、首を縦に振る
宮城 「……」
(わかりました…!)
すっ
メンバーへ向き直る
桜木・流川 「…?」
宮城 「ヤス、シオ…それにお前ら全員…勘違いすんじゃねーぞ」
全員の顔を見渡す
宮城 「オレらには、大会前の調整なんてしてる余裕はねぇ」
「!!!!」
宮城 「海南や陵南にはうちと違って骨のある新入生が何十人も入ってるはずだ」
1年生へ視線を向ける
ギクッ!!
気まずそうな表情の1年生数名
宮城 「神や仙道に加えて、そんなやつらが相手になるんだぞ」
今度は、2、3年生へ目をやる
宮城 「練習はどんだけやっても足りねーんだ」
安田・潮崎・角田 「………」
その言葉に何も言い返せない3年生
「………」
「………………」
「で、リョーちん。オレらはどーすりゃいいんだ」
桜木が沈黙を破る
宮城 「あぁ。今から、オレが用意した特別メニューをやってもらう」
安田・潮崎・角田 「なっ!?」
一年生 「特別メニュー!?」
ざわつくメンバー
桜木 「ほう…」
宮城 「アヤちゃん、さっきのノート」
彩子 「はい」
待っていたかのように、タイミングよくノートが差し出される
宮城 「じゃあ今から、各メンバーはオレの指示通りにわかれてくれ」
「はいっ!」
宮城 「……以上だ」
コート上
A 宮城、安田、桑田、石井、その他数名
B 潮崎、米山、佐々岡、その他数名
C 角田、桜木、流川、結城、野間、鳴川
3つのグループに分けられた湘北メンバー
宮城 「オレを含めたAメンバーは、ドリブルとディフェンスを徹底的に鍛える」
桑田・石井 「いっ!?」
(これって…もしかして)
宮城 「Bチームは3Pかミドルレンジ、とにかくシュートの打ち込みだ」
潮崎 「……」
(なるほど…)
宮城 「そして、CチームはローテーションしながらBチームのリバウンド争いとパサーをやってくれ」
結城・野間・鳴川 「!?」
(桜木さんや流川さんと、リバウンド勝負!?)
宮城 「以上だ!あとは、各チーム、シオとカクの指示で動いてくれ!」
「はいっ!!」
「おぉっ!」
キュッ
一斉に散らばっていくメンバー
「……」
少し複雑な表情で見守る彩子
安西 「彩子くん、どうかしましたか?」
彩子 「あ、いえ…ちょっと」
安西 「…?」
彩子 「なんか、一緒だなって」
(あれだけあのノートに色々書いてたから…てっきり)
安西 「一緒…ですか?」
彩子 「はい。以前、選抜前や新人戦前に先生が用意したものと」
安西 「ほっほっほっほっ。心配ありませんよ」
微笑みながら答える
彩子 「…?」
安西 「宮城くんは、しっかり考えた上でこの方法が一番だと判断したんです」
彩子 「リョータが…」
安西 「その通り。なぜなら、これは同じ練習であっても全く目的が違うものだからです」
彩子 「目的が…違う?」
安西 「えぇ。2、3年生にとっては意識の再確認…」
彩子 「……」
安西 「そして、1年生にとっては…自身の役割を明確にさせる為のものなのです」
彩子 「自身の役割…!」
キュッ
ガッ!!!!
ゴール下
桜木 「フンガァ!!」
ガシィィィィッ!!
リバウンドを抑える
鳴川 「無理っすよ…桜木さんが相手じゃ」
結城 「……」
(スゴい…)
桜木 「フンッ…いいか1年坊主、よく覚えておけ!ゴール下は戦場だ!」
野間 「はいっ!!」
(花道さん…かっこいいっす)
3Pラインの外
米山 「何度もうっせぇぞ花道!黙って練習しろ!」
(あのバカ、何回同じ話すりゃ気がすむんだ)
桜木 「なにっ!?」
流川 「同感…」
桜木 「あぁっ!?キツネ、テメー今なんか言ったか!?」
潮崎・角田 「……」
(また、始まった)
一気に騒がしくなるコート
安西 「ほっほっほっほっ。今年も元気があっていいですね」
彩子 「えぇ。本当」
(役割…そういうことだったのね)
イチロー 「……」
続く
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