2014年05月24日
スラムダンクの続編妄想#462 鳴川祥真
「ありがとうございましたー」
すっ
商品を受け取り、足早にコンビニを出る鳴川
「わりーわりー。何買うかなかなか決まらなくてさ…待たせちゃったな」
結城 「……」
コクッ
首を縦に振る
鳴川 「……」
(何か…言えよ)
「………」
ザッ
ザッ
鳴川 「……」
結城 「……」
ガサッ
帰りがけに購入したパンを食べながら歩く2人
鳴川 「……」
結城 「……」
これといった話題もなく、気まずい雰囲気が流れる
鳴川 「……」
(ったく…何話せばいいんだよ)
「………」
「………………」
「…!」
(そうだ…!)
鳴川 「な、なぁ!結城」
結城 「…?」
鳴川 「武石中って、お前らの時は最高でどこまでいったんだ?」
結城 「……」
鳴川 「…?」
結城 「ベスト…4」
鳴川 「そ、そっか。惜しかったな」
結城 「…ボクは、そんなに出てないから」
鳴川 「…!」
(な、なんて…暗い)
結城 「……」
鳴川 「ちなみに、その時はどこに負けたんだ?」
結城 「……」
鳴川 「…?」
(もう…なんでこうすぐ答えられねーんだ)
結城 「富ヶ丘中…」
鳴川 「!!!!」
(ゲッ!?)
結城 「水沢君に30点以上とられて…」
鳴川 「…!」
(なんで、そういう話題はよく喋んだよ)
結城 「……」
鳴川 「……」
(くっ…余計気まずくなったじゃねーか)
ザッ
ザッ
ザッ
「………」
「………………」
再び、沈黙が流れる
………
鳴川祥真(なるかわ・しょうま) 180p/68s
富ヶ丘中出身でSF、PF、場合によってはCまでこなすユーティリティープレーヤー
中学時代はシックスマンとしてチーム内、不動の地位を築き上げた。
しかし、
彼の名がスターティングメンバーとして呼ばれる事は一度としてなかった。
その理由はいたって簡単
無口な流川に続き、真面目な水沢へと主将が引き継がれた富ヶ丘中バスケ部において、
陽気で軽すぎる彼の性格は、監督の全幅の信頼を得るには至らなかったのである。
ただ、
当時の監督は一つ、大事な事に気付けずにいた。
それは、
鳴川の陽気さ(軽さ)は、チームを盛り上げようと気を使っていた為だった事
さらに、
彼は、彼のその性格が所以となって、試合・練習中関係なく、
誰よりも早く、チームの些細な変化に気付けるプレーヤーだったという事を。
………
そして今、
鳴川のその性格を見抜いていた男が一人。
結城 「……」
チラッ
横目で鳴川を確認する
ザッ
ザッ
ピタッ
ザッ
ザッ
鳴川 「ん…?」
足を止め、振り返る
結城 「……」
鳴川 「どうしたんだ結城?」
(急に立ち止まったりして…)
結城 「……」
鳴川 「…?」
結城 「鳴川君…」
鳴川 「!」
結城 「…どうするつもり?」
鳴川 「え? どう…する? 何を?」
結城 「……」
見つめる目に段々と力がこもる
鳴川 「…!」
結城 「…水沢君の事」
鳴川 「!!!!」
「………」
「………………」
先程とは、明らかに違う沈黙が流れる
「………」
鳴川 「……」
(どうする…なんて言えばいいんだ)
答えを聞く前に結城が再び口を開く
「君しか…いないと思うよ」
鳴川 「結城…!」
続く
そういってもらえると光栄です!