2014年05月30日

スラムダンクの続編妄想#464 案外熱い




結城 「……」

(あの時…)



鳴川 「…?」







遡ること3年前







結城が自身の記憶を語りだす







………







4月初旬・武石中学校







「オラーッ!!一年走れ!!」



「はいっ!!」







「一年っ!!もっと声出せ!!」



「は、はいっ!!」







前年度、神奈川王者に輝いた武石中



今年も昨年に続くべく、激しい練習が日々繰り広げられていた。







「ハァ…ハァ…ハァ…」



入部して間もない新入生達



「……」

(オレ…無理だわ)



「……」

(こんな練習…やってられるかよ)



ハードな練習がゆえ、部員の数は日に日に減っていった。







結城 「…ハァ…ハァ…ハァ」

(やっぱり…バスケットは無理かもしれない)







入学式からわずか数日



身長の高さをかわれ勧誘された結城も真剣に退部を考えていた。







結城 「……」

(体力作りと思って入部したけど…初心者のボクには到底ついていけない)












そんなある日、







ガチャッ



「!!!!」



意外な訪問者が訪れる







克美 「み、三井さん!?」



「こ、こんちわーーーっ!!」



三井 「おぅ!やってるな!」



結城 「…?」

(あの人…誰だろう?)



「三井さん!部活はなかったんですか!?」



三井 「あぁ。正式な入部は明日からなんだ」

(ったく…学校の都合とはいえ、入学から入部までに3日空くってどういう事だよ)



「三井先輩!湘北では試合に出れそうなんですか!?」



三井 「あ? トーゼンだろ。オレは中学MVPだぜ」



練習そっちのけで質問攻めにする上級生達







結城 「……」

(先輩達のあの態度…あの人、そんなにスゴいんだ)



普段の厳しさから豹変した上級生を不思議そうに見つめる



克美 「…?」



この様子に気付き声をかける







克美 「結城は、初心者だから三井さんは知らないよな?」



結城 「…はい」



克美 「三井さんは去年うちを県大会優勝に導いた天才シューターなんだ」



結城 「天才…?」



克美 「ヘヘッ…まぁ見てなって」



結城 「…?」












スパッ!



「おぉぉ!!三井さん5本目!!」



「スゲぇ!スゴすぎる!去年以上だ!!」



練習後半に設けられた紅白戦、



結城は中学MVPの実力を目の当たりにする。



三井 「よし…シュートはまぁまぁだな」

(紅白戦も近いし、もう少し体を動かしとくか…)







バシィィィッ!



克美 「しまった!!」



三井 「ヘヘッ…あめーよ。克美!」



ダン!



克美 「くそっ…」

(ダメだ…無理だ)



バスッ!



スティールからシュートを決める



結城 「…!」

(スゴい…本当にあの人は天才だ!)







キュッ



すっ



ネットをくぐったボールをそのまま拾う三井



「克美…!」



克美 「は、はいっ!」



三井 「お前、なんで今オレを追いかけなかったんだ?」



克美 「!!!! そ、それは…」



三井 「お前、まさかあきらめたじゃねーだろーな?」



克美 「い、いえ…!」



三井 「いいか、よく覚えとけよ」



ひと際、声が大きくなる



結城 「…!」



コートサイドにも、その声が聞こえてくる



三井 「あきらめたら…そこで試合終了だ」




克美 「!!!!」



結城 「…!」

(あきらめたら…試合終了)



三井 「最後の1秒まで…絶対あきらめるんじゃねーぞ!」



克美 「は、はいっ!!!!」



三井 「よし…じゃあ、もう1本いくぞ」



克美 「お願いしますっ!」






結城 「……」

(三井先輩…か)







この日、興味本位でバスケを始めた結城の中で何かが変わる







結城 「……」

(ボクも…あんなプレーヤーになりたい)







それは、ポジションこそ違えど一選手として尊敬と憧れの感情であった。







………







結城 「その後、三井さんは見なくなったけど」

(確か、一時して克美先輩が「あんな先輩…」って怒ってた…)



鳴川 「……」

(今日のユーキはよく喋る…)



結城 「でもボクが3年生の時…先輩はコートに戻っていたんだ」



鳴川 「あ!見た見た!去年の海南戦だろ!?」



結城 「う、うん」

(本当は翔陽、陵南戦もスゴかったけど)



鳴川 「流川先輩もだけど、三井さんて人も相当うまかったよな」



結城 「……」



鳴川 「噂では2年のブランクがあったみたいだけど…」



結城 「…らしいね」



鳴川 「本当スゲーよ。普通2年ブランクあって、あんなに出来るわけないよな!? 本当、天才だぜ」



結城 「……」



少々不満気



鳴川 「…?」

(あれ…なんか気に障ること言ったか?)



結城 「それだけじゃ…ないと思う」



鳴川 「!?」



結城 「三井先輩が活躍できたのは…あきらめなかったからだよ」



鳴川 「!!!!」

(そ、そこ…気にするか!?)



結城 「……」



満足したのか、前を向く







鳴川 「……」

(ユーキ…意外と自己主張が強いんだな)



チラッ



横目で表情を確認する








結城 「……」

(あきらめなければ…いつかボクだって)







鳴川 「……」

(まぁ…案外、熱いやつなのかもな)







続く



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