2014年06月11日
スラムダンクの続編妄想#467 リミット
水曜日
バタンッ!!
荒々しくロッカーを閉める宮城
「ちっ……」
バッ!
ベンチに置いたバッシュを手にとり、
体育館へと向かう
キュッ
キュッ
宮城 「……」
(米山のやつ、昨日はオレに謝りもせず帰りやがって…)
キュッ
「……」
(…こりゃ一発シメねーと)
キュッ
「…ータ」
宮城 「…?」
彩子 「リョータったら」
宮城 「アヤちゃん…!!」
後ろから声をかける彩子に気付かずにいた宮城
彩子 「もう…!」
(本当リョータったら、考えごとしてると人の話は上の空なんだから…)
宮城 「ゴ、ゴメン」
キュッ
キュッ
2人並んで体育館へと歩く
彩子 「で、さっきは何考えてたの?」
宮城 「え? さっき? な、何のこと!?」
彩子 「……」
全てを察しているかのような視線を向ける
宮城 「う…!」
(まさか…バ、バレてる!?)
彩子 「あんたのことだから…どうせ、ヨネをどうシメるか考えてたんじゃないの?」
宮城 「げ!? どうして…それを!?」
パンッ!!
彩子、手に持つノートで宮城を叩く
宮城 「っ!!」
彩子 「バカ!あんたが今考えなきゃいけないのはそんなことじゃないでしょ!」
宮城 「ゴ、ゴメン…アヤちゃん」
彩子 「明々後日には大会も始めるのよ。昨日も練習の後に言ったじゃない!まずはイチロー君をどうにかしないと…」
(じゃないと、チームがどんどんバラバラに…)
宮城 「わ、わかってるよ…!」
(その為に、オレは米山を…)
彩子 「それに、イチロー君は入部して、たった数週間だけど…湘北にとってはかけがえのない戦力の1人よ」
宮城 「あ、あぁ。チームの雰囲気作りはもちろん、あいつは他校の同学年の戦力にも詳しいしな」
彩子 「えぇ。その彼が今日も休むようなら…」
宮城 「……」
彩子 「まだ、充分に他校の新入生の情報をまとめきれてないのに…」
(私も反省しないと…イチロー君に頼り過ぎてたわ)
宮城 「もちろん…その為だけじゃねーが」
(金曜は軽めのメニューになるから、対策をするなら今日か明日…)
彩子 「えぇ…」
「………」
「………………」
宮城 「ちっ…リミットだな」
(…時間がねぇ)
同じ頃
バタンッ!!!!
先の宮城同様、
荒々しくロッカーを閉める桜木
バッ!
バッシュを手に持ち、部室を後にする
キュッ
キュッ
桜木 「……」
(あとは、チビヨネにガツンと一発…)
キュッ
桜木 「……」
キュッ
桜木 「む…?」
視線の先
窓の外を見覚えのある顔が通り過ぎて行く
桜木 「あれは…!?」
バッ!
身を屈め、後を追う
体育館裏
「……」
すっ
忍び足で息を殺し、物陰にひそむ桜木
ぬっ
物陰から少し顔を出してみる
米山 「……」
桜木に背を向けた状態
桜木 「…!」
(チビヨネ…こんな所でいったい何を?)
ぬぬっ
更に顔を出す
桜木 「あれは…!!!!」
米山の向こう側
向かい合う形で立つイチローの姿
続く
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Posted by ひでき at 2014年06月15日 15:32
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