2014年07月09日
スラムダンクの続編妄想#472 二極化
4月末
土曜日
「おい!こっちだぞ!」
「早くしろよ!最終戦終わっちまうぞ!」
神奈川県内各地に設けられた各会場
各所で、春季バスケットボール大会を兼ねた関東高等学校バスケットボール選手権大会神奈川県予選会の1回戦が着々と消化されていた。
彩子 「ハルコちゃん!こっちよ!」
とある会場入り口
晴子 「…!」
ザッ
ザッ
入り口で待つ彩子のもとへ急ぎ足で向かう
晴子 「すみません。遅くなりました!」
彩子 「いいのいいの。こっちは、ちょうど始まったばかりよ」
2人並び会場へ入る
彩子 「…で、ハルコちゃんの方はどうだった?」
晴子 「はい。初戦の相手ですが…正直、湘北なら問題ないかと…」
そう言うとスカウティングノートを開く
彩子 「…そう。やっぱり」
しばしノートに目を落とし、いくぶん残念そうに応える
晴子 「彩子さん…?」
彩子 「えぇ…今イチロー君や美紀ちゃん美穂ちゃんに先に見てもらってるんだけど、正直湘北が2回戦(ベスト16)であたるチームもたいしたことなさそうなのよ」
晴子 「……」
(それっていいことなんじゃ…?)
彩子 「各チーム…新戦力が加わってどれだけ変わってるのかと思ったけど」
晴子 「……」
彩子 「今日のこの様子なら、実力のある選手は、やっぱりほとんど海南や陵南といった実力校に集まってるということになるわね」
晴子 「…!」
(そっか…!)
キュッ
キュッ
会場のホールを歩く2人
彩子 「……」
(去年にも増して…神奈川の二極化が進んだわね)
晴子 「……」
(海南や陵南に…イチロー君が言ってた以上の選手がいるかもしれない…)
キュッ
キュッ
2階の観客席に到着する2人
イチロー 「あっ!ハルコさん!」
美紀・美穂 「あっ!ハルコさん!もー遅刻ですよー!」
晴子 「ごめんね。前の試合が長引いちゃって」
イチロー 「そうだよ。2人とも、ハルコさんは別に遅刻なんかじゃ…!」
彩子 「はいはい、そんなことよりあんた達。しっかりスカウティングしてるんでしょうね?」
美紀・美穂 「もちろんでーす!」
すっ
ノートを差し出す
彩子 「……!」
(あら…意外とちゃんとできてるじゃない)
ここまでの経過を確認する
彩子 「…?」
スコアブックの選手名横
わずかなスペース、
70点、50点、0点やら点数が書かれている
彩子 「美紀ちゃん…この数字はいったい?」
美紀 「…!? そ、それは美穂が…!」
美穂 「何言ってるのよ。美紀が言いだしたんじゃない!」
突如、言い争いを始める
彩子・晴子 「??」
すっ
その様子を見て、イチローが彩子のもとへ近づく
彩子 「…?」
イチロー 「それ…選手の点数みたいですよ」
小声で話しかける
彩子 「選手の点数…?」
イチロー 「はい。2人が選手の外見に点数をつけてるみたいです」
「!?」
「………」
「………………」
彩子 「まったく…この子達は」
少し呆れた様子
イチロー 「あれ? そういえば…」
キョロ
キョロキョロ
突然、思い出したかのよう周りを見渡す
彩子 「…?」
イチロー 「いえ…宮城さん、今日は来てないんですね」
(てっきり…ハルコさんと初戦の相手を見てるのかと)
「………」
「………………」
彩子 「本当…勝手なんだから」
先程に増し、呆れた表情
イチロー 「…?」
彩子 「リョータなら、どうしても見ときたい試合があるって…別会場に行っちゃったわ」
そう言うと、不満気な表情を見せる
イチロー 「…!?」
(宮城さんが見ときたい試合…気になる)
彩子 「湘北とは反対ブロックなのに…あのバカ」
愚痴るようにボソッとつぶやく
イチロー 「……」
(どこの試合か気になるけど…聞いたら怒られそうな予感が)
そして、
その頃、
別会場にて
キュッ
ダンダン!
華麗なドリブルワークでディフェンスをかわす選手
キュキュッ
ピッ!
急ストップからジャンプシュートを放つ
ザシュッ!!
「よーしいいぞ東!!」
「きたきたーっ!これで20点目!」
盛り上がる観客席
宮城 「……」
(やっぱり…見にきといてよかったぜ)
すっ
コートサイド、スコアへ目を移す
津久武 78
内村第二 22
続く
これからもぜひぜひお付き合いくださいませ!