2017年01月17日

スラムダンクの続編妄想#720 迫る夏




「ハァッ…ハァッ…!」







「次っ!!スリーメンだっ!!」



「ハイッ!!」







5月も半ばを越えた頃、







湘北高校体育館ではハードな練習の日々が続いていた。







宮城 「おらぁっ!!一年!!もっと気合入れて走れ!!」

「ハイッ!!」



彩子 「ほらほら!!二年生もっとスピード上げてっ!!一年生に抜かれるわよ!!」

石井・桑田・佐々岡 「ハ、ハイッ!!」







迫る夏を前に、



熱気に包まれるフロア







野間 「ハァッ…ハァッ…」



鳴川 「やべ…」

(キツイな…)







べしっ!!べしっ!!



背後から頭をチョップされる







桜木 「気合が足りんぞ!一年どもっ!」



鳴川 「うげ…花道さん…」

野間 「す、すいませんっ!!」












「………」



「………………」







この様子を見つめていた安西







「ふむ…」



近くのカレンダーを見つめ、







「大会まであと10日…追い込みはそろそろいいでしょう…」







「彩子くん…」



少し離れた場所にいる彩子を呼ぶ







そして、







ピーーーッ!!!!



彩子 「さぁみんな!!集合よ!」







「ハァッ…ハァッ…」



「ハァハァッ…」







息も整わない者もいる中、



安西が口を開き始める







「皆さん…関東大会県予選から休む間も無く、ここまでよく一生懸命やってくれました…」



「………」







「大会まであと10日…ここからは激しく体力を消費する練習より、チームの精度、または個人のスキルを磨く時間にしていきたいと思います」



「………」







「そして、大会では各自が自身の役割をしっかり果たして欲しいと思っています…」



「………」







すっ



メンバーの顔を見渡す安西







「その為に、少し早いですが関東大会に臨むメンバーを発表したいと思います」



「!!!!」







皆の顔、



特に一年と二年の数名(石井・佐々岡・桑田)の顔に緊張が走る







安西 「ただし…」



「…??」







「関東大会に出場するにあたり、一つ皆さんにお伝えしておかなければならないことがあります」



「…??」

(大事な話って、この前の話とは違うのか…?)







続く言葉を待つ選手たち







そこへ、







「関東大会において、私は流川くんを出場させるつもりはありません…!」



「なっ!?」

「!!!!」

「えっ!?」



ほとんどのメンバーが驚き、



思わず声を漏らす者も







安西 「また、その次に控えているインターハイ予選…ここでも、膝の状態次第では全ての試合に欠場もありえます」



「うそ…!?」

「マジ…!?」

「流川さん…そんなに膝、悪いのかよ…!?」



先にも増して、



多くの者が驚愕する







すっ







そのまま、



輪の後ろの方、



流川へ視線を移す安西







「これは流川くんも納得のことですから…」







「そうですよね? 流川くん…」







「………」



この問いに、



無言の沈黙を返す流川







「………」



「………………」







しばしの静寂がコートを包んだ後







「ちっ…」



小さく舌打し、







流川 「はい…」







その脳裏には、



数日前、安西宅で交わした会話が蘇ろうとしていた。







続く



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