2017年01月26日

スラムダンクの続編妄想#727 前乗り




「さぁ皆!!集合よ!!」







関東大会を今週末に控えた湘北高校体育館







キュキュッ



キュッ



練習も終わり際







各人のストレッチが終わったのを見計らい、



彩子が集合をかける







キュッ



キュッ







「………」



皆が集まったのを確認する彩子







「それじゃあ、金曜日(大会前日)の予定について確認しておくわ」







メンバーを見渡しながら話し始める







「ぬ…金曜…??」



何の話か理解できていない桜木







「おい…金曜って、なんのことだ??」



近くの鳴川に話しかける







「え? 花道さん何言ってんすか? 金曜っすよ金曜!明後日のことですよ!」



桜木 「ぬぅ…!だからそれが何かを聞いてるんだ」







ぐっ



軽く拳を脇腹にあて、



グリグリする







鳴川 「ぬぉっ!!」



一瞬声が漏れるも、すぐに我慢







彩子 「…?」



少し首をかしげるも、



再び説明に戻る







その一方、







「だから、金曜は学校が終わってから駅に集合して埼玉に行くんですよ!」



怒りながらも小声で答える鳴川







桜木 「…そうなのか?」



初めて聞いた、



そんな表情







鳴川 「え? 彩子さんがこの間言ってじゃないですか、会場近くに彩子さんの叔父さんが経営している民宿があるって…」



桜木 「ほう…」







鳴川「だから大会中はそこに宿泊して、金曜の夜は近くの中学の体育館で調整(練習)をしようって…」



桜木 「…そうだったのか」







鳴川 「花道さん…話、全然聞いてなかったんすね…先週には案内あってましたよ」



少し笑いながら、呆れた様子







桜木 「フンッ!考えることが多いからな…天才は…」



鳴川 「プッ…」



意味不明な理由に思わず吹き出す







「ゴホンッ!!」



鳴川 「!!」



わざとらしく、咳払いする彩子







チラッ!!



そのまま鳴川へ軽く視線を送る







鳴川 「………」

(あちゃー、こりゃ…後でやられる…)







そして、







「というわけで…明後日は、みんな遅れないように!」



「ハイッ!!」

「オォッ!!」



説明を終える彩子







宮城 「よーし!!じゃあ片付けだ!!」







キュッ



キュッ



モップ、リング、ボールそれぞれに散って片付けに向かう選手達







「花道!明後日は遅刻すんじゃねーぞ!」



センターサークルにいる宮城、



フリースローライン付近にいる桜木へ声をかける







桜木 「おうっ!!」



力強く答える







「………」



「………………」







「で…どこに何時だっけ? リョーちん」



「はぁっ!?」



拍子抜けし、



思わず大きな声が出る宮城







「ったく…お前ってやつは…」



呆れつつも、







「金曜は16時に駅前に集合だ!!」



桜木 「オゥッ!!ジューロク時に駅だな!!」







キュッ



掃除の為、その場を後にする二人












その後、







着替えを済ませた選手達はそれぞれの帰路につく







「金曜は、ジューロク時に駅だな…ジューロク時に駅、ジューロク時に駅…」



ぶつぶつ言いながら帰り道を行く桜木







高宮 「おい洋平!!約束だぞ!アイスな!」



水戸 「はいはい…わーったわーった…」



大楠 「俺はジュースでいいや!」



野間 「俺も!!ジュースにするぜ!!」



その隣、



盛り上がる桜木軍団







「なにっ!? 洋平の奢りなのか!?」



その会話に桜木が食いつく







「なんだよ。花道は関係ねーだろ!」



拒もうとする水戸だが、







桜木 「まぁまぁ…洋平くん、オレ達親友だろ…いいじゃねーか」



ガッ!!



執拗以上に、肩を組み甘えたふりをする







水戸 「だーーー。もうわかったわかった!わかったから離れろって!気持ちわりー!」



バッ!!!!



笑みを浮かべながら、離れる桜木







「いやー、悪いね洋平くん」



水戸 「ったく…」







そこから、







再び歩き出す男たち







「ヘヘッ…ジュースー、ジュースー」



ノリノリな桜木、鼻歌交じりで歩き出す








「ん…?」



ふと何かを思い出す







「ジュースー、ジュー…」







「む、金曜はジュー? ロク時? だったか…?」







ひょんな拍子から、



記憶が曖昧になる







「………」



「………………」







結果







案の定、







金曜日








「あのバカが…!」







定刻の集合時間、



桜木の姿はそこにはなかった。







続く



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