2017年01月28日
スラムダンクの続編妄想#729 駅の近く
ガタンゴトンッ!
ガタンゴトンッ!
神奈川を出発してから30分
列車内、
端から晴子、米山、桜木の順で座る3人
「ぬぅ…!!」
明らかに不機嫌な様子の桜木
「………」
(なぜだ…なぜチビヨネがいるんだ…)
「………」
当の米山はイヤホンをはめ、下を向いている
「………」
「………………」
桜木 「む…?」
何やら目線を感じ、
そちらへ視線をやる桜木
「おい…見ろよ。あれ…カワイイな…!」
「あぁ。この辺じゃ、見ない制服だな…」
なにやら他校の生徒が、
晴子をチラチラ見ながら話している
「………」
「………………」
すっ
男たちが少し晴子の座席へ近寄ろうとした時
「ガルルルルルルルッ!!!!」
凄まじい剣幕で二人を睨み付ける桜木
「お、おい…!?」
「あ、あぁ。なんかヤバそうだな…アイツ…!」
(髪も赤いし…!!)
すっ
スタスタと遠くへと移動していく
「………」
「………………」
「ちっ…」
相変わらず、
ぶすくれた表情の桜木
「ったく…なんで、コイツが…」
そう言うと、
隣でイヤホンをしたままうつむいている米山を見つめる
「彩子さんがね…私一人じゃ危ないからって、米山くんを残してくれたの…」
ふいに晴子が話し始める
桜木 「ハ、ハルコさん…!?」
(しまった…心の声が…漏れてたのか!?)
「米山くん、自分の練習時間を削って残ってくれたんだから感謝しないとね…」
「ぬ…!」
晴子の言葉に、
ハッとする桜木
「………」
「………………」
複雑な目で、
米山を見つめる
「………」
(バーカ…別にテメーの為に残ったわけじゃねーよ)
うつむいたままの米山、
音楽の向こうから聞こえてくる晴子と桜木の会話に目をつぶったまま、
心の中で答える
「………」
(彩子さんに…「晴子ちゃんは方向音痴だから…お願いね」て一方的に言われただけだし…)
すっ
うつむいたまま、
つぶった眼をうっすらと開ける米山
ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!
列車は東京を通過していく
そこから、
さらに時間は経ち…
プ―――――ッ!!
駅に到着し、
「あれ…? 降りる駅は…ここ?」
下車駅を書き写したメモを探し始める晴子
米山 「ここっすよ」
バッ!!
立ち上がり、
一人降り口へ向かう
晴子 「あっ、米山くん。待って!」
桜木 「ハ、ハルコさんっ!!」
つられるように下車する二人
そして、
カッ
カッ
カッ
人気(ひとけ)の少ない階段を下りていく3人
晴子 「確か…ここから歩いて、10分ぐらいのはずなんだけど…」
カッ
カッ
カッ
駅前に降り立った3人
晴子 「えーと…」
キョロキョロとあたりを確認する
米山 「………」
すっ
行き先がわかっているのか、
スタスタと歩き始める
「………」
「………………」
そこから20mほど歩いた所
ダンッ!
ダンッ!
米山 「ん…?」
桜木 「む…?
ふいに、
ドリブルの音が聞こえてくる
すっ
自然と音のする方
駅近くに設けられた大きな空き地へと視線をやる
キュキュッ
次の瞬間
「!!!!」
ドガァァッ!!!!
視線の先、
タイミングよく豪快なダンクを決める男の姿が目に飛び込んでくる。
桜木 「ほぅ…!」
米山 「…!」
続く
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