2021年01月30日
スラムダンクの続編妄想#1426 今言える本音
「よーし…それじゃあ明日は7時半から朝食だから、遅れんじゃねーぞ…解散っ!!」
インターハイ開催を明日に控えた湘北高校バスケ部
民宿での夕食を終え、
部員らがぞろぞろと夕食会場を後にする
「………」
「………………」
その様子を見つめ、
「フゥ…」
ひとりため息をつく宮城
すっ
時計を見つめ
「………」
(まだ20時か…)
「少し…走っとくか…」
そう言って、
最後に部屋を出ていく。
そして、
そこから約15分後
キュッ
玄関口で靴を履き、
宮城 「よっと…」
軽く腕を回したりしつつ外に出ると…
宮城 「え…?」
まるで来ることをわかっていたかのよう、
安田と潮崎と角田と出くわす。
宮城 「お、お前ら…!?」
安田 「リョータの事だから、きっとじっとしていられないんじゃないかと思って…」
潮崎 「まぁ、オレ達も一緒だけどな…」
角田 「なんて言っても…いよいよ始まるんだからな…」
宮城 「…!」
同じ時、
「なぁ…」
「ん?」
「やっぱ明日って緊張すんのかな?」
「どうかな。でも、先輩たちはインハイ予選よりも緊張したって言ってたよね…」
民宿の一室
鳴川、米山、結城の姿
鳴川 「いよいよ…明日か…やっぱりオレ、なんか緊張してるのかも…」
結城 「本当に始まるんだね…ボクもちょっとソワソワしてる気がする…」
米山 「うん…」
心なしか落ち着かない様子
それでも、
結城 「でもさ、もし明日負けたら…もう終わりなんだよね…」
鳴川 「あぁ…先輩達どうすんのかな? 冬まで残ってくれるのかな…」
米山 「どうだろう。でも安田さんに角田さん、潮崎さんみんな頭いいんだよね…?」
結城 「みんな普通に…勉強に専念するかな?」
鳴川 「てことは…キャプテンだけ残るの? げぇ…安田さんていうブレーキがいなくなったら…かなりヤバそう…」
米山 「確かに。でもさ、宮城さんも決して頭悪いわけじゃないし…もしかしたら勉強に専念…なんて可能性もあるかも…」
結城 「うん。そうだね…」
鳴川 「とにかく…今は一日でも長くこのメンバーでバスケができるように頑張らないと…」
結城 「出来ることは少ないかもしれないけど…精一杯自分に出来ることをしなきゃ…!」
米山 「あぁ…!」
全容もわからないが、
3人に忍び寄ってきているプレッシャーを先輩らへの想いで必死に打ち消そうとしている。
そこから…
場面は再び戻り
民宿外の河川敷
「ハァッ…ハァッ…!」
無言のままランニングをしている3年生4人
その途中…
宮城 「あ…そういえば…」
安田・潮崎・角田 「…?」
宮城 「決まったのか? 夏の後…どうするか…」
安田・潮崎・角田 「!」
ランニングのペースをグッと落とし、インハイ後の進路について聞く
「………」
「………………」
しかし、
誰ひとり即座には答えようとしない
宮城 「………」
(なかなか言い出せねーってことは…やっぱり引退か…)
直後、
「ゴメン…リョータ…」
宮城 「…!?」
口を開いたのは安田
宮城 「なんで謝ってんだよ…?」
安田 「いや…すぐに答えられなかったからさ…」
宮城 「………」
安田 「夏の後だけど…正直、まだ決めてないんだ…」
宮城 「…!」
潮崎 「オレも…」
角田 「悪い…オレもなんだ…」
宮城 「そっか…」
安田 「だから、今後の事についてはこの全国大会が終わってから考えようと思うんだ…」
宮城 「そうか…」
安田 「その時…自分の中で悔しさがあれば、きっと冬まで残るだろうし…」
宮城 「………」
安田 「でも正直…もし今引退するんだったら、僕はきっとそのまま引退すると思う…」
宮城 「…!?」
少し驚くが…
安田 「フフッ…それくらい、後悔がないほどに今までやってこれた…充実してたってことだよ…」
潮崎 「確かに…言えてるかもな…」
角田 「あぁ…オレ達はリョータがいたから、ここまで来れたんだからな…」
宮城 「何言ってんだよカク…」
潮崎 「いや、本当カクの言う通りだよ…」
宮城 「シオまで…」
安田 「だってさ、オレ達レベルの選手の力だけで全国まで来れるわけないし…それにずっと辞めずにやってこられたのもリョータのおかげだよ…」
宮城 「…!」
潮崎 「そうそう。リョータがいなかったら、絶対赤木さんについていけなかったよ…」
安田 「うん。無理だったよ…」
角田 「思い返せば…オレらが入部した頃は(同学年が)10人以上いたのにな…みんなどんどん辞めてってさ…」
潮崎 「本当激しかったもんな…」
安田 「木暮さんがいたとはいえね…」
宮城 「まぁ…確かに、厳しかったかな…」
「………」
「………………」
しばしの沈黙を挟み
安田 「だからさ…本当リョータには感謝してるんだ…あと、この場にいない彩子さんにも…」
宮城 「ヤス…」
潮崎 「ヤスの言う通り。オレ達をまたこの場所に連れてきてくれて…ありがとな」
角田 「ありがとう…本当、今はこの日々が一日でも長く続いてほしいと思うよ」
宮城 「………」
少し恥じらいはあるが、
今度は真摯に受け止める。
宮城 「こっちこそ…ありがとな…」
そうして、
4人が互いの想いを語り合っている時
ザッ!
ザッ!
ザッ!
宮城らとは少し離れた場所
二人並んでランニングをしている男女の姿
「………」
「………………」
桜木 「………」
晴子 「………」
続く
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