2021年02月10日

スラムダンクの続編妄想#1427 河川敷にて





ザッ



ザッ



ザッ







宮城らがランニングする同時刻、



近くの河川敷を同様にランニングする桜木と晴子







「………」



「………………」







ジーーーーン…



空を見上げ、



目に涙を溜めている桜木







「………」

(うぅ…まさか、晴子さんが一緒に走ってくれるなんて…)







少し前、



民宿を出ようとしていたところに鉢合わせした晴子が、



「私も一緒に走ろうかな…」



そう言った場面を思い返す







「………」

(二人きりでこんな夜道を走るなんて…)







「………」

(まごうことなく…これはデート…!!)







チラッ



前を向き走る晴子の表情を確認する







「………」

(しかもこんな危険な夜道を…二人きりで走るという事は…)







「………」

(それはこの天才に信頼を寄せているということ…つまりは…)







ドックン…!



ドックン…!!



高鳴る胸の鼓動







桜木 「………」

(晴子さんは…愛の告白を待っている…!!!!)













と、



そんな事を考えていると…







晴子 「あ、桜木くん…見えて来たわよ…!」



桜木 「ぬ…?」







晴子の指差す方



ぼんやりとバスケットリングのシルエット







桜木 「あれは…!?」



晴子 「フフ…今日民宿に向かう途中で見かけたの。もしかしてって思って…」



桜木 「おぉ…!」







次第に近づいてくるバスケットリング







晴子 「なんだか…こうして二人でいると、初めて一緒に体育館に行った時のことを思い出すね…」



桜木 「初めて…」







蘇るのは、



去年の4月







晴子に言われるがまま湘北高校体育館に連れていかれ、



ダンクをしようとした所、バックボードに額をぶつけた記憶







桜木 「ハ、ハハッ…」



少し恥ずかしそうに苦笑い







しかし、







キリッ!!



すぐに表情は変わり…







桜木 「晴子さん…やはり、そんなに前からこの天才の事を…」

(これはやはり…間違いなく告白を待っている…!)



晴子 「…?」







少しスピードを上げ、



突如走るのを止め、



晴子と向き合う







晴子 「…!!」







直後、



ダンッ!!



ダンダンッ!!







桜木・晴子 「!?」







誰もいないと思っていた屋外コートから聞こえてくるドリブルの音







晴子 「誰か…いる?」



桜木 「むぅ…」














そこから、



すっ



静かにコートへ近寄る二人







すると、







ダンッ!!



キュキュッ



ダンダンッ!!







一人、



シャドートレーニングで汗を流す流川の姿







桜木 「キ、キツネ…!なぜここに!?」



晴子 「る、流川くん…!!」







当然、







「やっぱり…カッコいい…!!」



目がハートになる晴子







桜木 「なっ…!? ハッ、ハルコさんっ!!」

(マズい…まだ大事な話を…!!)







ブンブンッ!!



必死に視界に入り正気を取り戻させようとするが、







晴子 「………」



ぽわーん







桜木の声などどこ吹く風



完全に上の空







「なぁぁぁーーっ!!!!」



頭を抱え込む桜木に…







流川 「ん…?」



一瞬手を止め、



辺りを見回す流川







しばらくして、



ダンッ!!



再び練習に戻る







そして、







桜木より更に後方







「あーぁ…先客がいたか…」



すっ



残念そうに踵を返す仙道の姿も。







こうして、



それぞれの夜は明けていき…







宮城 「さぁ…!出発だ!!」

仙道 「さぁ、いこーか…」



「オォッ!!」







初戦に向け、



湘北・陵南が民宿を後にする。







続く










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