2022年09月12日
スラムダンクの続編妄想#1606 まだ余裕
キュキュッ
ダッ!!
コート上、
名朋選手誰もが流川の勝負を確信した直後
田森 「え…!?」
キュキュッ
トップにいた宮城が突如、
流川の元へと走り出す。
田森 「!?」
(ここで…ピックアンドロールだと!?)
湘北高校
#4/G/宮城リョータ/170p/60s/3年
#14/SG/米山恭平/173p/65s/1年
#16/F/野間忠次郎/184p/78s/1年
#9/F/流川楓/190p/79s/2年
#8/C/桜木花道/192p/86s/2年
名朋工業高校
#4/G/田森順/172cm/62kg/3年
#7/SG/松本浩美/186cm/84kg/2年
#11/SF/明石高文/190cm/88kg/2年
#16/PF/坂上仁/196cm/95kg/3年
#8/C/森重寛/202cm/106kg/2年
タイマー 3:10
湘北 49
名朋工業 58
キュキュッ
田森 「ちぃっ…!」
(させるか…!!)
宮城がまさにボールを受けようかという寸前、
ダッ!!
守る田森は無理にファイトオーバーせず、
直後のドライブに備えてスリーポイントラインの内側へ
しかし、
キュッ
すっ
田森 「!?」
(渡した…? いや、まだ…!)
受け渡しの瞬間、
流川が上手く田森に背を向け、
宮城は急ストップ、
うまくディフェンスを惑わす。
これにより、
田森 「…!」
(どっちだ…!?)
坂上 「くっ…!」
(これで…流川のドライブだった時…反応できるのか?)
迷いが生じる二人
だったが、
田森 「右なら坂上が出ろっ!!左ならオレが行くッ!!」
坂上 「オウッ!!」
ギリギリのところで対応を判断。
すると、
キュッ
田森 「!」
背を向けていた流川、
一度田森が対応するサイドへ体を振るモーション
田森 「!?」
(来る…!? いや、フェイクか…!!)
坂上 「…!」
(これがフェイクなら…こっちに…!)
そこから、
キュッ!!
一気に逆へ体を振ると、
坂上・田森 「!!!!」
その手にはボールはなく…
ダンッ!!
ほぼ同時、
宮城が田森がいる方へ思い切りよくドライブ
田森 「くっ…!!」
(来る可能性があるのはわかってたが…!)
キュキュッ
懸命に並走しようとするが、
宮城 「…!」
ダンッ!!
流川も警戒していた分、反応がわずかに遅れると…
グッ!!
狙いすましたよう、
キュキュッ
ダンッ!!
ガッ!!
田森 「!!!!」
そこへ体をねじ込むように入れられ突破を許す。
そして、
ピッ!!
スパッ!
そのままレイアップシュートが決まり、
タイマー 2:58
湘北 51
名朋工業 58
しばらく停滞していたスコアが再び動き出す。
「おぉ…!やっと決まった…!」
記者席
固唾を飲んで試合を見つめていた中村がホッとした様子で口を開くと、
相田 「えぇ…湘北はいい形から久々の得点を上げれたわね…」
どこか嬉しそうに相槌を打つ
中村 「それにしても…」
そう言って、
すっ
手元の資料に目を落とすと…
中村 「逆に名朋は森重くんを下げませんでしたね…ファウル3つ目なのに…」
不思議そうに首を傾げると、
相田 「確かに…普通に考えれば、さっきのオフェンスファウルの時点で下げるのも一つの作戦だったと思うわ」
中村 「普通…ですか?」
相田 「えぇ。恐らく、名朋は交代で流れが変わることを嫌ったのよ…」
中村 「流れ、ですか…なるほど…!」
相田 「あとは…」
少しバツが悪そうな笑みが浮かべながら、
中村 「…?」
相田 「多分…交代を指示しても絶対納得はしなかったはずよ。森重くんなら…」
(第1クォーター終わりでの交代の件もあるから…恐らく…)
中村 「あぁ…言われてみれば…」
「………」
「………………」
そこから、
しばしの沈黙を挟み…
相田 「それに…」
中村 「…?」
相田 「確かに、この時間でファウル3つはリスクは高いかもしれないけど…」
中村 「………」
相田 「前向きに考えれば、この時間でまだ3つで済んでるとも捉えられる…!」
中村 「…!」
その言葉通り、
二人の視線の先
キュッ
森重 「………」
フロントコートに向かう彼の表情には、
まだどこか余裕が感じられる。
続く