2022年10月17日

スラムダンクの続編妄想#1622 思い切りやれ





ガッ!!



ドシィィィィッ!!!!



レフェリーのファウルコール直後、



勢いよく転倒する宮城。









これとほぼ同時、



ピ――――ッ!!!!



「タイムアウトッ!名朋っ!!」



続けざまにタイムアウトがコールされる。







キュッ



桜木 「リョーちんっ!」



宮城 「あぁ…大丈夫だ…」



苦痛に顔を歪めながらも、



自身の足でベンチへと戻る宮城。







湘北高校

#4/G/宮城リョータ/170p/60s/3年
#14/SG/米山恭平/173p/65s/1年
#9/F/流川楓/190p/79s/2年
#7/PF/角田悟/183p/73s/3年
#8/C/桜木花道/192p/86s/2年



名朋工業高校

#4/G/田森順/172cm/62kg/3年
#6/SG/北野隆/184cm/75kg/3年
#11/SF/明石高文/190cm/88kg/2年
#16/PF/坂上仁/196cm/95kg/3年
#8/C/森重寛/202cm/106kg/2年







タイマー 5:01


湘北   67
名朋工業 73














彩子 「アイシングッ!急いで!」



石井 「ハイッ!!」



慌ただしく急ピッチで治療の準備を進めている湘北ベンチ







彩子 「リョータ、痛めた場所は? 手首…?」



宮城 「いや…」



そう言っておもむろに見せたのは…







彩子 「…?」



昨日負傷した部位(指)



宮城 「また、やっちまった…」



彩子 「!」

(同じ場所…!)







一方、



名朋ベンチ







「ハァッ…ハァッ…」



椅子に腰かけ、



水分補給する選手らに、



おっちゃん 「やはり湘北は違うな。これまでの相手よりも相当強敵だな…」



監督が静かに声をかける。







そして、



おっちゃん 「寛…」



森重を呼ぶと、



森重 「あ…?」



おっちゃん 「おめぇはファウル4つ目だ。それに足にもキテるみたいだな…」



森重 「………」



おっちゃん 「普通ならここは一旦引かせるとこだが…お前はどうしたい?」



本人の意思を確認







森重 「ん…」



おっちゃん 「オレは、一回引いてラスト3分でもう一度コートにって考えてるが…」



自身の考えを述べると、



森重 「イヤだ…」



即座に拒否。







これを受け、



おっちゃん 「ん…? このまま出続けたい…そういう事か…?」



改めて意志を確認。













「………」



「………………」







すると、



しばしの沈黙を挟んだ後



森重 「あぁ…」



静かではあるものの、



低く力強い答え。







その表情を確認し、



おっちゃん 「フッ…それほど楽しいんだな。あの桜木という男とのマッチアップは…!」



森重 「別に…」



おっちゃん 「まぁいい。ここまで来るまでに、お前に頼ってきた部分もあるからな…お前の好きにせい」



森重 「………」



おっちゃん 「ただし、やるからには思い切りやれよ。ファウルを気にしたり、疲れを隠すような中途半端なプレーはいらんぞ…」



森重 「…あぁ」



おっちゃん 「なーに、うちはインサイドの層が厚い…万に一つお前が退場しても問題はない…」



森重 「フッ…」



おっちゃん 「ならば…あとは時間の許す限り、しっかり体を休ませておけ…」



森重 「おぅ…」



気持ちよく森重をコートに戻すことを決意する監督。







そこから、



場面は戻り湘北ベンチ







彩子 「それにしても桜木花道…さっきのプレー、本当凄かったわよ。一瞬だけど赤木キャプテンを思い出したわ…」



宮城の治療の傍ら、



彩子が桜木に声をかけると、



桜木 「ハッハーッ!!トーゼンですよ!この天才の手にかかれば、ゴリが苦労して習得した技も朝飯前ですよ!」



いつもの調子の受け答えに、



彩子 「フフッ…残りあと5分…しっかり頼むわよ」



安堵の表情。







その数秒後、



ピ――――ッ!!!!



「始めますっ!」



コートから響く試合再開を告げるホイッスル。







キュキュッ



「さぁ、あと6点だ!行こうっ!!」



「オォッ!!」



コートに向かう湘北メンバー中央、



周囲の選手には声をかけているのは、



「………」



大事な局面でゲームメイクを託される形となった安田。







宮城 「………」

(頼むぜ…ヤス…)







続く