2022年11月17日
スラムダンクの続編妄想#1633 吉報は突然に
「何度やっても一緒だ…お前はオレには勝てねーよ…!」
「………」
「………………」
森重の言葉が頭の中でこだまする中…
スローインへとボールを拾う桜木。
ピッ!!
ボールを流川に入れると、
桜木 「…?」
流川 「………」
どこか意味ありげな視線を向けられているのに気づく。
湘北高校
#9/G/流川楓/190p/79s/2年
#14/SG/米山恭平/173p/65s/1年
#13/F/鳴川祥真/182p/69s/1年
#15/C/結城洋介/189p/70s/1年
#8/C/桜木花道/192p/86s/2年
名朋工業高校
#4/G/田森順/172cm/62kg/3年
#7/SG/松本浩美/186cm/84kg/2年
#11/SF/明石高文/190cm/88kg/2年
#16/PF/坂上仁/196cm/95kg/3年
#8/C/森重寛/202cm/106kg/2年
タイマー 2:21
湘北 74
名朋工業 81
「よし…!これでいいわ…!」
すっ
湘北ベンチ
一旦治療が終わったのか、
「ありがとう。アヤちゃん…」
安西の元へ小走りで向かう宮城
一方のコート上、
流川 「鳴川っ!」
ピッ!!
コート上ではフロントコートに入った流川がボールを展開。
直後、
キュキュッ
結城 「桜木さんっ!」
桜木 「…!」
キュッ
インサイドでポジションを入れ替える二人
その最中も、
桜木 「………」
(くそ…やっぱりゴリ重には…)
先のプレーを引きずっている様子
すると、
キュキュッ
ポジションチェンジからハイポストに立つ桜木に対し、
バッ!!
桜木 「…!」
真っすぐに向かってくる流川の姿
森重 「ん…?」
(あの9番…マークマンを引っかけていくつもりか…)
そして、
キュキュッ
桜木とのすれ違いざま、
流川 「集中しろ…どあほう…」
ガッ!!!!
声をかけ、
肩をぶつけていくと、
桜木 「…!」
当然、
この動作に苛立つが…
「………」
「………………」
時間にして約2秒
何かを考えると、
桜木 「………」
(そうだ。これで何度目だ…今はゴリ重との勝負より、試合に集中しねーと…!)
フッと肩の荷が下りたような表情へ。
そこから…
間髪入れず、
米山 「花道っ!」
ダンッ!
トップでボールを持っていた米山からハイポストへパスが供給。
ダンッ!!
キュキュッ
着地と同時、
軸足と反対の足を引いて森重と正面で対峙すると…
「フゥ…」
ため息に似た呼吸を一つ置き、
森重 「…?」
桜木 「おい…」
森重 「あ…?」
桜木 「テメーには勝てねーかもしれねぇが…」
森重 「………」
桜木 「試合には負けねー…!」
森重 「!」
個の敗北は認めるも、
チームの勝利は譲らないと宣言。
その刹那、
キュッ
ボールを一度左へスイングし、
ダンッ!!
森重 「!」
それをフェイクとして逆サイドへドライブ
キュキュッ
一気に森重の横に並ぶも、
ディフェンスも体の幅を使いこれを守る。
それでも、
桜木 「勝ーーーつっ!!!!」
ダッ!!
グッと大きく踏み込み、
リングに向かって踏み切ると…
バッ!!!!
森重 「くっ!!!!」
わずかに遅れながらもブロックにジャンプ
すぐさま、
すっ
大きく両手を上げ、
桜木が構えた手の前に自身の手を伸ばす
米山 「!」
(マズい…あの位置ならボールは押し合いに…!)
鳴川 「花道さんっ!!」
(決めてください…!でも正直、その距離じゃ…また…!)
結城 「………」
(たぶんこぼれるから…セカンドを…!)
この状況はさすがに厳しいと、
周囲の大半が判断する中…
ただ一人、
「決めろ…!」
桜木 「…!」
コート内から聞こえる背中を推す声。
直後、
すっ
右手で構えていたボールを左へ持ち替えると、
安西 「!」
宮城 「なっ…!?」
グッ!
空中で体を反らし、
森重より上半身を後方へ持って行き、
すっ
ブロックでガラ空きとなっている森重の腰辺りに左手を回し込むようにして、
ピッ!!
そのまま左手でふわりと浮かせたシュートを放つ
森重 「なっ!?」
(なんだ…!? 今のは…!)
このシュートは、
ガッ!!
「!!!!」
リング奥に一度あたり、
ガッ
その跳ね返りでリング手前をこするようにして、
ネットを通過することなく、
落ちていくが…
ほぼ同時、
ピーーーッ!!!!
リリース直後、
ブロックを諦めなかった森重が懸命に振り下ろした手(腕)が桜木の肩に接触しており、
「イリーガルユーズオブハンズッ!8番っ!」
桜木 「…!?」
唐突に、
二人の勝負に幕が下ろされる。
続く