2022年12月18日
スラムダンクの続編妄想#1641 波のように
「ハァッ…ハァッ…」
「フゥ…」
両校ベンチ
息を整えながら、
監督の指示を聞く選手達
一方で、
「………」
「………………」
その話し声が聞こえてきそうなほどの静寂に包まれている場内。
高宮 「うぅ…息が詰まりそうだ…」
大楠 「くぅ…もう見てられねぇよ…」
野間 「…チュージロー…」
水戸 「………」
さすがの桜木軍団も、
場内に漂う圧倒的緊張感に巻き込まれた様子。
そんな空気の中、
「………」
「………………」
時計は刻々と進み、
ピーーーッ!!!!
「始めますっ!!」
審判がタイムアウトの終わりを告げる。
湘北高校
#4/G/宮城リョータ/170p/60s/3年
#14/SG/米山恭平/173p/65s/1年
#9/SF/流川楓/190p/79s/2年
#15/PF/結城洋介/189p/70s/1年
#8/C/桜木花道/192p/86s/2年
名朋工業高校
#4/G/田森順/172cm/62kg/3年
#7/SG/松本浩美/186cm/84kg/2年
#11/SF/明石高文/190cm/88kg/2年
#10/PF/所庄司/192p/90s/3年
#16/PF/坂上仁/196cm/95kg/3年
タイマー 0:59
湘北 80
名朋工業 81
キュキュッ
キュッ
互いに選手を代えず、
迎えたスローイン。
ハーフからのスローインへ向かう名朋に対し、
宮城 「マークマン…ピックアップ!ヨネ、4番はオレが行く…!」
米山 「うす!7番行きますっ!!」
オールコートマンツーマンの湘北。
そして、
松本 「入りましたっ!!」
バシィッ!!
レフェリーから受けたボールをスロワーが叩くと同時、
キュキュッ!!!!
田森・松本・明石・所・坂上 「!!!!」
激しくディナイをスタート。
キュキュッ
松本 「なっ…!?」
ガッ!!
その厳しさは、
明石 「!?」
(コイツら…!)
まるで…
田森 「…!」
(ボールすら入れさせないつもりか…!?)
このスローインで全てが決まると言わんばかりの勢い。
これには思わず、
田森 「!?」
(何考えてやがる…!? 仮にここで裏でもとられたら、一気にピンチに…!)
動揺するも、
キュキュッ
明石 「キャプテンッ!!」
キュッ
その程度ではやられまいと、
ピッ!!
バシィッ!!
ボールをなんとか受けると…
宮城 「ちっ…!」
田森 「…!」
聞こえてくる宮城の舌打ち
田森 「………」
(やっぱり…湘北はなんとしてでも、ここで止めたかったのか…!)
だが、
間髪入れず、
宮城 「ったく…怖いくらいに思った通りだぜ…」
田森 「…!?」
プレッシャーをかける宮城がポツリと口を開くと、
宮城 「で、次はセットプレーだろ…」
田森 「…!?」
名朋のプランを知っているかのような口ぶり。
それでも、
田森 「………」
(いや…ハッタリに決まってる…!)
キュキュッ
切り替え、
ドリブルを突き出そうとした矢先
キュキュッ
田森 「!?」
このタイミングでまさかのダブルチーム
松本 「(米山が)行きましたっ!!」
すかさず、
ダンッ!!
キュッ
バックステップで距離をとり、
空いた選手へパスをさばこうとするが…
キュキュッ
バッ!
流川 「………」
田森 「…!」
キュッ
ダッ!!
結城 「………」
田森 「!!」
次から次に押し寄せてくる波の如く、
パスコースを次々に遮っていくディフェンス。
これには…
田森 「くっ…!」
キュキュッ
思わず再びバックステップ。
しかし、
田森 「!!!!」
この2度目のバックステップで、
知らず知らずのうちに自らコフィンに入ってしまい
キュキュッ
バッ!!!!
完全にダブルチームで挟まれてしまう田森
松本 「マズい…!」
明石 「周りッ!!フォロー!!」
キュキュッ
懸命に周囲がサポートに入るが、
宮城 「ヨネッ!!」
米山 「ハイッ!!」
元々これが狙いだったのか、
決死のディフェンスを見せる二人を前に…
キュッ
ドリブルは止まり、
田森 「ぐっ…!!」
キュキュッ
やがて、
ピ――――ッ!!!!
「5秒バイオレーションッ!!!!」
ターンオーバーを告げるホイッスルがコートに響く。
続く